ICOに不可欠なERC20とは?対応するウォレット、改良版のERC223について

イーサリアムの構想は2013年に発表され、2015年に本格的に始動してから改善や新たな開発が行われてきました。

イーサリアムのスマートコントラクトの機能は優れていて、世に新しい金融革命を起こすとされています。

イーサリアムが様々な企業やプロジェクトに注目を受けている背景にERC20が深く関わっています。

仮想通貨のニュース、ICOの情報、ウォレットを作る時など、仮想通貨に関わる情報によくERC20が取りあげられていますね。

ERCの意味やERC20トークンとはどんな仮想通貨のことを指しているのか?

イーサリアムのプロジェクトじゃない仮想通貨もERC20トークン準拠って書いてあるけれど、どうしてなの?

と疑問に思ったことはないでしょうか。

今後のイーサリアムの展開に期待している方はもちろん、仮想通貨取引を始めて見たい方にも、ぜひ知っておいてほしいERC20を紹介します。

ERC20とは

イーサリアムはブロックチェーン上でユーザー同士が独自に決めた契約を自動で実行できるスマートコントラクトの機能を持つことで知られていますね。

それはイーサリアムのDapp (分散型アプリケーション)が取引の条件が一致した時にのみ実行されるからです。

イーサリアムにはこのようにスマートコントラクトをプログラムして開発できるプラットホームを提供しています。

イーサリアムは様々なサービスやアプリがあり、それぞれに独自のトークンが発行されています。

その上で分散型取引所やウォレットの開発が進むにつれて、効率よく管理できるトークンの提供とユーザーからもひとつのウォレットで様々なトークンを一緒に管理したいという声がありました。

そこでERC20というトークンを一元管理できる規格を開発したのです。

ERC20はイーサリアム上で発行されるトークンの規格というのがわかりました。

ではどんなトークンがERC20トークンの規格をクリアできるのでしょうか?

ERC20に必要な機能とイベント(この場合、実行中のプログラムからの処理要求のことを指します)がすでに決められています。

ERC20の仕様は8つの機能と2つのイベントを実装することになります。

この契約を満たすとERC20準拠のトークンと呼ばれます。

ERCはEthereum Request for Comments(イーサリアムの技術や仕様、運用規則を定めた文書)の略です。

ERC20は、その20番目になります。

ERC20対応のウォレット

ERC20準拠のトークンにはどんなメリットがあるのでしょう。

それは同一規格トークンであれば、同一ウォレットでの管理ができるからです。

例に挙げるとビットコインのウォレットからイーサリアムのウォレットからトークンを送ることは出来ません。

同じブロックチェーンなのに、どうして一緒に出来ないの?と思ったことはないでしょうか。

それはビットコインとイーサリアムは異なる定式化された処理手順で記録を残していく通貨だからです。

ERC20トークンは規格に必要な機能とイベントを共通でプログラムされています。

MEW

MyEtherWallet(マイ・イーサ・ウォレット)はイーサリアムの公式のウォレットです。

イーサリアムはもちろんイーサリアムベースのトークンはこちらで一括管理出来ます。

ICO時のトークンの受け取りにも使用される場合があります。

MEWを使っていると、「Gas limit 」の表示が出てきます。

このGasはイーサリアムのスマートコントラクト実行の時や送金に燃料として使われます。

いわゆる手数料のことです。

この燃料はETHで支払うので、送金の時にETHを少しだけ残しておくと良いでしょう。(0.01ETHくらい)

Gas limit はこのウォレット内で出してもいい最大の値です。

これは送金量で変動し、自動で計算されるので細かく気にすることはありませんが、この値は自分でも設定できます。

通常ETHを送金する場合には21000Gas必要です。

ICOに参加するときはコントラクトに複雑な処理が必要になるので、21000Gas では足りないときがあります。

ICO時に設定する値を提示されることがありますので、Gas limit の値を提示された通りそのまま入力しましょう。

Gas price は相場で変わるので、あまり気にする必要はありません。

日本円で数十円くらいの差です。

ハードウェアウォレット

ハードウォレットはオフライン状態で保有するコインを保管できる安全な手段だとしてとても人気がありますが、ERC20に対応のLedger nano S の受信アドレスがハッキングされる恐れがあると報告されました。

ハードウェアウォレットは毎回受信アドレスが変わるためユーザー は送金を受信するアドレスをその都度確認することがないことに目をつけて、Ledger nano S を持つパソコンの受信アドレスをハッカーの持つアドレスに書き換えるという手口です。

その後アップデートがありPC上に表示されるアドレスとLedger nanoS本体のアドレスが一致しているか確認するように要求されるようになっています。

今回はハードウェアがマルウェアに感染している訳ではなく、PC上で感染している可能性を指しています。

ハードウェアウォレットを利用する時には、連携するPCにも目を配るようにしましょう。

そのほかのERCトークン対応のウォレットにTREZORがあります。

これはTREZOR はマイイーサウォレットと連携出来るからです。

マイイーサウォレットのお財布情報を見る画面でTREZORを選択しましょう。

ERC223とは

最近ではERC20の改良版として、ERC223という規格のトークンも注目を集めています。

ERC20の改良版といわれていますが、ERC20にはどのような問題があって改良しなければならなかったのでしょうか?

 

イーサリアムのプラットホームでは最初にコントラクト(契約内容)をブロックチェーンに書き込み、それから内容が一致したら実行するといった流れでトランザクションが行われています。

この契約内容に与えられたアドレスをコントラクトアドレスと言います。

イーサリアムではウォレットのアドレスの他にスマートコントラクトを示すコントラクトアドレスが存在するためにユーザー達の間でトラブルになっていたことがあります。

コントラクトアドレスは通常の送付先アドレスと異なる性質だと認識しておくと良いでしょう。

コントラクトアドレスに誤ってトークンを送っても正常に処理されないため、送ったトークンが凍結してしまいます。

現状のERC20ではこのようなスマートコントラクトで受けつけてしまった処理の記載がないため問題になっていました。

実質トークンが一切動かせなくなるということはネットワーク上から消えてしまったことと変わりありません。

そこで誕生したのが、ERC223という規格のトークンです。

ERC223のメリット

ERC223はtoken fullbackという機能を実装しているので、コントラクトアドレス宛に、上記のようにコントラクトに対応していないトークンが送金された場合には元の送り主に自動的に返金されます。

さらにERC20より送金手数料を抑えることを可能にしました。

ERC20とイーサリアム

ERC20の規格を設けたことで、イーサリアムのコミュニティは次第に広がっていきました。

イーサリアムの価値を高めたとも言えます。

最近の情報ではアメリカ最大の仮想通貨取引所のコインベースが、ERC20トークンを扱うことを表明しました。

将来コインベース製品全体でERC20準拠のトークンの資産をサポートする方向性です。

コインベースは取り扱う通貨の種類が海外の取引所にしては少ない方ですが、取引所の規模は大きいです。

日本語のサポートがないため、認知度は少ないと思いますがコインベースの提供しているウォレットも人気があります。

コインベースが今後、ERC20トークンの具体的な銘柄の発表をするたびに、話題になりそうです。

現在ERC20トークンはかなり種類があるため、もしかしたら人気のあるERC準拠のトークンから上場されるかもしれません。

もはやERC20は上場の基準として、取り上げられるようになっています。

ERCとICO

イーサリアムがERC20というトークン発行の規格を決めたことで、企業やプロジェクトがICOで資金を集めることを主流にしたのはイーサリアムのおかげといっても過言ではありません。

ERCという共通仕様があるため、イーサリアムがトークン発行のプラットホームとして開発者としても作りやすく、ICOで使われるトークンはほとんどイーサリアムベースで作成されています。

ERC20トークンを提供する側のメリットとして、すでにERC20トークンの対応の分散型取引所やウォレットが存在し、トークンを販売する取引所を新たに開設する必要はありません。

トークン配布の際の処理も共通化することができます。

ICOに参加するユーザーにとっても、ERC20に対応したウォレットでまとめて管理できるのが便利です。

主催者側がイーサリアムのERC20トークンを発行することでユーザーがICOに参加しやすくなります。

このことから、資金調達を目標額まで達成できるとして多くの企業、プロジェクトが採用しているのです。

ERCと非中央集権アプリ

ERC20トークンは様々な開発アプリケーションで採用され、イーサリアム上でたくさんのERCトークンが誕生しました。

現在では64671件のERC20トークンの契約があるのです。

この統一した規格を持つトークンが分散型取引所やウォレットで盛んに利用されると、金融機関はもちろんのこと既存の中央集権型取引所に変化をもたらすのではという意見があります。

ユーザーにとって利便性が高く、様々な通貨を保管できるようになると第三者が管理する中央集権型の機関に依存する必要がなくなるからです。

従来の金融組織で要求される手数料や時間を大きく削減できるでしょう。

従来の中央集権型のアプリケーションから非中央集権アプリケーションに社会基盤が移行して行くことが考えられています。