仮想通貨規制が金融商品取引法に移行すると何が変わる?

国による仮想通貨の定義とは一体どのようなものなのでしょう。

現行では改正資金決済法によって、仮想通貨は法定通貨と同等の財産的価値を持つ「貨幣」として認められるようになりました。

それ故に決済手段のひとつとしてみなされるようになると、税制の面でも話題になっていましたね。

この法律の施行により、仮想通貨取引所は金融庁の登録が義務づけられるようになりました。

つまり金融庁の監視下に入ったということになります。

現在、「金融庁のお墨付き」をもらったはずの国内主要の取引所6社は2度目の業務改善命令を受けています。

日本の取引所でも、急激な市場の変化に十分対応することが難しかったといえ管理体制の問題が指摘されました。

規制の枠組みが整わないまま市場が拡大した仮想通貨の法律は、金融商品取引法への移行の可能性が報じられました。

大きく取りあげられたこのニュースは、その後金融庁から「そのような事実はない」として発表があり情報が錯乱したのです。

金融庁では仮想通貨の規制の在り方を議論する有識者会議を開いています。

その際に議論された内容がメディアに取り上げられたのが要因かもしれません。

https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20180427-2.html
仮想通貨交換業等に関する研究会(第2回)議事録

国会で話し合いの「議題」にあがる段階でもないのに、情報だけが先走ってしまったということでしょうか?

もし金融商品取引法が適用されると仮想通貨市場にどんな影響をもたらすのか、やはり気になりますね。

この法律の移行が明るい市場をもたらすのかも予想していきましょう。

なぜ金融商品取引法の移行が必要なのか?

改正資金決済法では主に、マネーロンダリングやテロ資金に関する規制と利用者保護の為の規制に重点を置いています。

いくつか匿名性の高い仮想通貨は取引所での取り扱いがなくなりましたね。

規制に遵守する対応の取引所ですが、利用者保護という面ではどうでしょうか?

NEM流失事件の顧客の資産の分別管理や経営が悪化した場合の対応が尾を引いているようです。

金融庁では幅広い規制の網をかけるには現状の法案だけでは不十分との意見がありました。

決済として利用される際の規制なども議論が続いています。

その中で問題にあがるのが仮想通貨を投機の対象として取引するケースです。

ICOやデリバティブ取引についての明確な規制がないため、現行法上では取り締まることはできません。

もし「金融商品取引法」への移行があればどうでしょうか?

問題にあがる取引形態を、より政府の管理下に置くことができるからです。

金融庁の監督のもとで現在より市場に透明性が生まれ、利用者保護につながります。

そこで方向性として考えられるのが、有価証券の定義に仮想通貨が加えられることが考えられますね。

有価証券の定義にあてはめると、仮想通貨が金融商品として認められます。

もしくは現行の制度に金融商品取引法の一定の規定を当てはめていく場合も考えられます。

では仮想通貨の今後の在り方に影響するかもしれない金融商品取引法について、詳しくみていきましょう。

金融商品取引法とは?ざっくりわかりやすく

【金融商品取引法】とは、有価証券(株式、公社債など)やデリバティブ取引に関して規定した日本の法律です。

規定のルールの他にインサイダー取引などの不正な取引についての規制や有価証券を発行元となる関連法人の情報開示のルールも含まれます。

実際にこれらの取引には、金融商品販売法(金融商品の販売に関する法律)や金融商品取引所(内閣総理大臣の免許)・金融商品取引業協会が定める規則などによっても規制される金融商品取引業には登録を受けた銀行などの金融機関も区分に入ります。

このように日本に存在する証券会社や金融機関はライセンスを持っていて、もし移行すれば仮想通貨も取り扱う可能性があります。

投資家保護のために規制のもとで公平で透明性のある市場を保とうというものですね。

このような市場であれば、厳しい審査と情報開示が求められるのでICO詐欺が横行する心配はなくなります。

金融商品販売法についても、消費者保護の観点で制定されています。

主に販売業者が違反行為を行なった場合に、消費者が損害賠償請求できる法律です。

金融商品取引法への移行により大手金融機関の本格参入がはじまる?

仮想通貨そのものを金融商品販売法の適用対象にするというのが、業界そのものに影響があるかもしれません。

なぜなら金融機関が仮想通貨を必死にETF商品に組み込もうとするアメリカの動向を無視できないはずです。

もし現実のものとなれば、海外で期待されている機関投資家や今まで仮想通貨に疑問を持っていた投資家などの新たな市場が生まれるかもしれません。

ETFによって様々な種類の金融商品が増えていくことにつながるのです。

金融商品取引法の導入はレバレッジの幅に制限がかけられます。

この点は既に仮想通貨交換業の自主規制委員会において統一が図られるていくでしょう。

もしかして税制の見直しが必要?

金融商品取引法への移行があれば税制の見直しが必要になり、何らかの進展があるかもしれません。

改正資金決済法ではビットコインでアルトコインを購入するなどといった仮想通貨同士の取引も課税対象になっています。

この法律ではブロックチェーンの技術に次々と実装されているアトミックスワップ(仮想通貨同士を瞬時に交換)を前提としていませんよね。

このあたりも株式やFXの「申告分離課税」と同じ税率20%の適用が議題にあがるかもしれません。

年明けに暴落して税金が納められないといった事態がありましたが、損益も翌年に繰越できる方向で議論が進むことが期待されます。

注意すべきは日本はすでに制定された改正資金決済法ありきで議論されるはずです。

全てが株とFXに適用される税制と同じと考えるには早すぎるのかもしれません。

金融庁では今月、「貯蓄から資産形成へ」を掲げていた長官の人事異動が決まっています。

新しい長官から今後の仮想通貨について、何が語られるのか気になるところですね。

日本が一番進んでいると実感できるような法整備が発表されることが望まれます。