世界に広がる仮想通貨規制の現状は?7月G20前の中間報告

仮想通貨市場は今年に入ってから大きな変化がありました。

仮想通貨市場における様々な問題が取り上げられました。

これは日本国内の問題だけにとどまらず世界的に見ても深刻な問題が浮上し、3月にアルゼンチンで行われたG20では7月までに各国ごとにまとめた仮想通貨の規制案を提出することで合意しました。

果たして全ての国が合意に至ったのでしょうか?

実はそうではないようなのです。

今後仮想通貨市場における各国の見解と規制状況について紹介します。

仮想通貨に税金がかからないドイツ&ドイツにつられて規制緩和に向かうフランス

ヨーロッパでは、仮想通貨市場においての熱狂的なイメージはありませんが、実際は決済方法として仮想通貨が利用されています。

以前からEU全体で仮想通貨に対して、規制する取り組みがありました。

それはマネーロンダリングやテロの資金調達に使用されるのではないかという懸念があったからです。

G20前にフランスのルメール経済・財務相はドイツとともにビットコインのリスクの分析や規制についてG20参加国に提案したいと述べていました。

足並みを揃えて規制の動きが加速することが予想されていましたが、実際のところ違う動きもあるようです。

ドイツ連邦銀行は仮想通貨に対する投機的なリスクを危惧していて、世界的規模で取り組むべきだという方針を示していました。

これはブロックチェーン技術を排除したいということではなく、通貨の支払い手段として機能させるべきとの見解です。

ドイツでは取引の当事者達が仮想通貨を支払い方法として受け入れ、それ以外の目的で使用される以外は正当な決済方法としてみなす考えです。

正当な決済方法であれば、仮想通貨に税金をかけないということです。

仮想通貨取引所に関しても、経営者が個人の使用用途でない限り同じく課税されないということでしょう。

G20前はドイツにおいての仮想通貨取引を全面禁止とまではいかなくとも、取引所がなんらかの規制の対象を免れることは難しいといわれていました。

現段階では仮想通貨市場を抑制する動きはなく今後も仮想通貨市場は変わらず機能していくでしょう。

フランスもドイツと同じようにブロックチェーン技術には新しい革命を感じ、ICOによる資金調達法にも肯定的です。

EU内でもブロックチェーン技術を取り入れることに遅れをとりたくないようです。

アメリカは仮想通貨市場よりも貿易摩擦が心配

アメリカではもちろん仮想通貨の取引に規制がありますが、アメリカ証券取引委員会の監視下に置かれていなかったために、州ごとの規制がまちまちで国レベルでの統一が必要と考えています。

これまで仮想通貨市場において、厳しい規制の枠組みを作ってきたともいえます。

G20では仮想通貨の議題だけ取り上げられたわけではありません。

むしろトランプ大統領は貿易戦争とも呼べる輸入制限措置や関税の方を重視しているように感じられます。

日本も貿易関係で一方的に公正さを求められることはありましたが、現在はその矛先は中国に向けられています。

自由貿易主義のトランプ大統領が仮想通貨取引市場を封鎖することは考えにくいですが、現在の規制状況はどうなっているのでしょうか。

トランプ大統領は既に、ブロックチェーンのサイバーセキュリティ研究の委任を含む7000億ドルの軍事費用法案に署名しています。

ブロックチェーン技術に予算は置くもののアメリカではベネズエラの仮想通貨ペトロを購入禁止にしました。

その経緯 は、2017年12月にベネズエラ政府が石油と交換できる仮想通貨ペトロを発行すると発表しました。

これは破綻したベネズエラの経済を立て直すためです。

豊かな埋蔵原油を裏付けに、今年に2月に資金調達を始め7億3500万ドルを先行販売で集めました。

この後トランプ大統領は、この仮想通貨ペトロの取引を禁止にしました。

アメリカ人がペトロを取引をすると罰せられるというものです。

ベネズエラは麻薬取引において、アメリカをはじめとする諸外国から経済制裁を受けていました。

ペトロを発行する事で、アメリカの資産家達からの資金集めを期待して経済制裁を逃れようとしたベネズエラは先行きが怪しくなってしまったのです。

今後も同じ仮想通貨でも自国に影響のあるものは排除していくでしょう。

ロシアでは仮想通貨取引で得た利益にきっちり税金をかける法律を

ロシアのプーチン大統領はブロックチェーン技術を先駆けて取り入れず、主要となる国の支配下になるのを極力避けたいとの考えです。

ロシアでは、独自の仮想通貨を発行する議案が進められています。

上記のベネズエラ通貨プロジェクトに共同して参加していたのではないかといわれています。

事実、アメリカでの市場を失ったペトロは、ロシアからの自動車部品購入に当てられることになりました。

現在ロシアでは仮想通貨の取引を全面禁止という動きはありません。

仮想通貨取引において犯罪に使われたり、国家の有益にならないものに対しては規制は必要との意思は示しています。

G20前の1月には、デジタル金融資産法案を公開して世界中の国々と足並み揃えて規制を進めると考えられていましたが、その後ICOについての大幅な緩和した修

生案が打ち出されました。

ロシアで仮想通貨に関する全ての収益に税金かかることも予想できます。

現在作成中の法案に13%という税率が制定されるようです。ロシアでは一定条件のもとでの、ICO参加や仮想通貨の取引やマイニング事業は容認されるでしょう。

規制がトップクラスで厳しい中国と近隣諸国 への影響

中国ではICO・仮想通貨取引所・マイニング事業の全てを規制の対象とし、仮想通貨の取引を禁止しました。

かつて中国が仮想通貨市場を開拓してきたといっても過言ではないでしょう。

ではなぜ盛んに行われていた取引を禁止したのでしょう?

中国ではICOと呼ばれる資金調達でユーザーが詐欺にあったり、多額の資産を投機的な投資のリスクに晒されるとして禁止に踏みきったのです。

中国政府がここまで厳しい対策をとる理由に、次のようなことが挙げられます。

中国政府は海外への送金の制限があったり、投資家による国境を超えた多額の取引には国家為替管理局に申告が必要だったりと人民元を外貨に変える動きには厳しい目を光らせています。

これは中国内の人民元安や景気が減速しないように、投資家達の資金が海外に流出するのを防ぐためです。

そのため自由に海外の商品を購入したり円やドルにも変えられる仮想通貨が投資家達の規制の抜け道となったのです。

仮想通貨の取引は厳しい規制が敷かれた後も投資家達が海外のプラットホームを利用し、水面下で行われていたために中国はG20の中でも、世界的な仮想通貨取引の取り締まり強化の主導をにぎっています。

ついに中国当局は海外への取引を支援している企業や個人の口座を調べる方針を出したのです。

現在では中国から海外の取引のプラットホームにオンラインでアクセスすることはできません。

その厳しい取り締まりの余波のひとつがバイナンスの本社移転の決定です。

規制が緩和だったはずの香港までが、大手取引所の移転を検討を余儀なくされる状況をつくっているのです。

それとは対照的に韓国は国民の請願書提出で、規制緩和に向かっていましたね。

韓国内の取引所でも売上を前年より大幅にあげたところもあります。

韓国での仮想通貨人気は衰えを見せていません。

3月に大手仮想通貨取引所Houbiが韓国で事業を開始しました。今後は韓国から情報が発信されるようになりそうです。

6月30日に選挙がありますので、規制の枠組みはその後の発表となるでしょう。

日本は金融庁が国内の取引所を対象に厳しく動き出した

日本は法整備については早くから仮想通貨法が成立しており、2017年には仮想通貨はひとつの決済方法として定義されています。

この先立っての法整備は諸外国からも一定の評価があり、他の国でも取り入れようと議論されています。

元々日本は仮想通貨の取引において規制はなく、仮想通貨取引において緩和な国といわれていました。

ところが今年に入ってから、コインチェックにおけるNEM流出事件で仮想通貨を扱う取引所の在り方が問われることになったのです。

仮想通貨法案には、仮想通貨交換業における定義や規制の内容も含まれています。

コインチェックの事件後、金融庁は国内の取引所に対して立ち入り検査を実施しました。

各取引所間でも動きがあり、金融庁に登録済みの取引所16社が新団体を設立しました。

取引所の自主規制ルールづくりのために結成され、金融庁から法律に沿った運営を求められているからです。

その後も金融庁は利用者保護の体制について整える仕組みを要求し続けた結果、仮想通貨交換業に登録をしている5社が撤廃することになりました。

業務改善命令を受けて、改善できない取引所は営業停止に追い込まれるようになったのです。

これは利用者目線からすると、安心して取引できる変わりに取引所の選択肢が減ったことになります。

今後金融庁の許可を得て、海外からの取引所が日本を拠点に活動するにはさらに困難になるでしょう。

コインチェックはマネックス証券が36億円で買収することで合意に至りました。

アルゼンチンで行われたG20では、規制について緩和な意見を示していた麻生金融相でしたが欠席を余儀なくされ、日本の仮想通貨市場の立ち位置を示すことができませんでした。

今後の日本の仮想通貨業界にしばらく模索状態が続くと思われます。

このように世界的に見てもブロックチェーン技術については、その価値を認めて取り入れたいという国々がほとんどです。

ブロックチェーン技術はオープンソースのプラットホームとして誰でも平等に利用できるものとして開発されました。

規制とルール、禁止事項、全てがブロックチェーンプラットホームを利用する人達のために作られた結果であればいいのですが、仮想通貨の扱いや定義について意見の違いが出るでしょう。

国々の思惑や政治的なことが絡んで統一した規制の動きには時間がかかりそうです。