2018年7月開催G20後の各国の仮想通貨規制について

先週、G20加盟国・財務大臣・銀行によってアルゼンチンで会合が行われました。

国際経済の課題として主に貿易関連を中心に議論が交わされたようです。

仮想通貨は直ちに対処すべきリスクはないとして、規制統一への動きは後回しになってしまいました。

大きな前進はなかったものの、FATFとAMLというキーワードが共同声明に盛り込まれています。

このふたつのキーワードが今後の仮想通貨市場にどんな意味を持つのか、そして各国で仮想通貨規制がどのように動いたのか解説していきます。

次回G20は2018年10月!AML水準を発表予定とは?

3月のG20では、仮想通貨がマネーロンダリングやテロ資金調達に利用されることを防止するために統一した基準を設けることで合意しました。

FATF (マネーロンダリングに関する財務行動調査部会)に対して、どのように適用していくか明確にするように要請をしています。

このFATFという機関は、1989年にマネーロンダリング対策の推進を目的とした多国間の基準を設けるために設立されました。

メンバーは35ヶ国・地域及び二つの国際機関で構成されています。

日本は1998年に議長を務め、創設時から積極的に活動に関わっています。

FATFが提言した勧告は国際社会で共有されるべき勧告として、各メンバーは国内で改善のための取り決めを政策的に求められます。

条例とは異なり法的な拘束力を持たないとはいえ、現在ではFATF勧告は国際的な基準になっています。

10月に発表予定のAML水準とは仮想通貨に対してのアンチマネーロンダリングの基準を設定することです。

このように3月の時と議論の中心は本質的に変わらないため、非公式で何か話し合いがあったのか憶測してしまいそうですね。

ビットコインやICOについては一切触れられなかったのが不思議です。

今後の仮想通貨の展開を予想するために、各国でどういった動きになっているか確認していきましょう。

ブロックチェーン分野で先駆的な地位を築きたいドイツとフランス

ドイツでは仮想通貨の投機的リスクを危惧する一方で、仮想通貨を支払い手段として機能させる考えを示しています。

そのためドイツ財務省では仮想通貨を決済手段として利用した場合に非課税にすると発表しています。

実際に非課税だからといって、街角で当たり前に仮想通貨が行き来している様子はまだ見られていないようです。

ドイツでは仮想通貨関連事業を展開していく環境が日本より整ってきていることがわかってきました。

それは伝統的な証券銀行VPEとデジタル・バンキング・プラットホームSolaris Bankとの提携によって実現しつつあります。

ドイツ金融規制当局Bafinライセンスを保有する証券銀行VPEが機関投資家向けの仮想通貨を扱う商品のサービスを開始しました。

Bafinはドイツの金融市場を規制する連邦政府の機関です。

Solaris Bankは従来型の銀行業と仮想通貨交換業を開始しているため、ブロックチェーン関連スタートアップ企業の規制や技術面で橋渡し役としても非常に需要があるようです。

フランスも事実上、緩和ともとれる仮想通貨の規制についてはドイツに負けてはいません。

ブロックチェーンスタートアップ関連事業の成長を優先していくための体制が整えられてきています。

ICOに対しては厳しい規制というよりもホワイトペーパーに盛り込むべきガイドラインがあり、当局による公的証明書を申請できるようになるとの見方があります。

個人の課税についても累進課税から19%の一律課税へ移行し、現段階ではビットコインにのみ適用されていますが、他のアルトコインについても同様の措置がとられるようです。

フランスの国会議員はブロックチェーン技術について、他国に類をみない知識をもっている方が多いようですね。

国家をあげてのAI分野とブロックチェーン技術に注力する動きからもイノベーション発祥の地となるでしょう。

ETF承認へ向けて期待が高まるアメリカ

アメリカのトランプ大統領のTwitter から仮想通貨関連の話題はほぼ皆無ですが、国内ではフィンテック業界の新しい風となるETF承認に期待が寄せられています。

先日はウィンクルボス兄弟のETF承認の申請はSECにより却下されましたが、8月に発表を控えているCBOE(シカゴオプション取引所)が手掛ける「VanEck Solidx Bitcoin Trust ETF」が本命視されています。

SECによる世論調査でETF承認に賛成が97%と非常に関心が高く、楽観視する意見が多いようですね。

ただG20開催後だけに慎重論も存在しているようです。

10月のFATFの国際基準の明確化がないまま、ETF承認が本当に決定するのかという意見もあります。

しかしETFには盗難やサイバー攻撃を受けた場合の保険設定があります。

CBOBは非公認レベルの公平に取引されていなかったオプション取引を規制に従い、整然と形成してきた40年の以上の歴史があります。

SECが懸念する価格操作や投資家保護の観点からも、基準は満たしていることからほぼ問題はないように見受けられます。

時期早々だったとしても、アメリカでは今後フィンテック業界が大きく変わる可能性があります。

ロシアは仮想通貨を決済として機能していないとの見解??

プーチン大統領からは仮想通貨が価値を裏付けするものではないと否定的な発言がありました。

しかし国内では大手銀行2社で仮想通貨を取り扱う導入テストが既に始まっているようです。

ロシアでは何度も改訂されたデジタル金融資産の法案が、ほぼ可決の見通しが立っているようです。

今年中に議会下院にて可決される予定ですが、仮想通貨業界についての特別税制は政府が必要と判断した場合に新たに追加される可能性があります。

個人の仮想通貨取引における税制は13%の所得税として課せられています。

当局はマイナーに対して登録制を求める方針のようで、個人でも事業主としてみなされるようです。

マイニングはロシアのデジタル経済の発展に貢献する産業という考えもありますが、マイニングマシン設備の個人輸入で裁判になった経緯があったからです。

法人は事業の種類によって税金を支払わなければならず、税率はまだ明らかになっていません。

ロシアの仮想通貨関連事業で大きな動きがありそうなのが、意外にも日本から進出の楽天です。

楽天は、完全子会社であるViber media社が運営するアプリを利用して2019年に楽天コインを展開していく発表がありました。

Viberアプリのアクティブユーザーは月間4500万人で、ロシアで第2位を誇るLINEのようなメジャーなアプリです。

運用される予定の楽天コインはウォレットで管理でき、ルーブルや米ドル・ユーロと交換できるサービスを提供するようですね。

楽天はロシアの法律を調査している段階ではありますが、容認されればロシアの仮想通貨事情に変化が訪れそうです。

世界で規制がトップクラスで厳しい中国と近隣諸国は今どうなっているのか?

中国では依然として、仮想通貨の取引は当局の厳しい管理にあります。

人民元建てで購入されるビットコインの占める割合は、全盛期で90%ともいわれていましたが、最近の中銀の発表では1%に満たないとの報告がありました。

一方で中国発のICOプロジェクトが海外に移転後に、中国人投資家に対してマーケティングを行なっていたことを断固拒否する姿勢をみせています。

これは7月のインターネット金融改正作業部会の内部会議で問題にあがったことからも、これまで水面下での仮想通貨取引があったことを示唆しています。

規制を厳しくした結果、当局の監視下におけない取引が行われている現状があるようです。

中国の規制は近隣諸国にも少なからず影響があると考えられますが、実際に規制の強化が波及していったのでしょうか?

仮想通貨投資熱が高い韓国ではどのような動きがあったのか、振り返ってみましょう。

韓国では仮想通貨とブロックチェーン関連事業の合法化に向けての法案を早急に可決しようとしています。

日本では非常に考えにくいですが、韓国では匿名銀行口座での仮想通貨売買が行われていました。

銀行口座名義と仮想通貨口座取引名が一致しなくても売買できていた仮想通貨取引に、ようやく健全な市場に向けて取り組みが進んでいるようです。

さらに韓国内では仮想通貨取引所のハッキング被害が以前から問題になっていました。

今までの被害額(125億円)の大きさから、政府からの法的介入の必要性が金融委員会から求められていました。

取引所に集中する資産の規模の拡大ともに管理体制について不安視する意見があったのではないでしょうか。

そこで仮想通貨及びブロックチェーンに関する規制を担う事務局を設立することを発表しています。

韓国は今後も仮想通貨(特にアルトコインを好む)への投資熱が続くことから、市場の価格に少なからず影響があることが海外メディアでも報じられています。

投資家達の視野はもはや海外へ、イノベーションが止まった日本

日本国内では投資家保護強化のために、投資上限やレバレッジの倍率制限が業界団体から金融庁へ申請する方針を表明しています。

こうした自主規制ルールが取引所で導入される動きがあることから投資家達の対象はもはや国内ではなくなっています。

しかし、今後海外取引所の使用制限がより厳しくなることも予想されます。

金商法への移行が話題になった時期もありましたが、依然として投資家やブロックチェーンスタートアップ企業が望む環境ではありません。

海外の動きを察知して国内大手企業でもブロックチェーン技術の検証や技術の研究をしていますが、多くは海外の規制枠で運用する方が活かされるのではという状況です。

日本では仮想通貨がどのように浸透していくのでしょうか?

今後は国を挙げてのキャッシュレス化が進むとみられ、仮想通貨が支払いとして利用される場合は想定された動きはあるようですね。

大手メガバンクが日本円とペッグした独自の銀行コインの開発に注力しています。

ただその先駆者はスタートアップ企業から提供されるものではなく、既存の銀行がビジネスモデルを変化させて普及させていくものになりそうです。

日本の投資家達からは、金融庁から新たな声明や法律の改正が望まれています。